お母さんは赤ん坊に、生まれた日からしゃべりかける。もちろん、赤ん坊は何も理解しているはずはない。しばらくして、目の焦点が合わせられるようになると、赤ん坊がそれを真似るといわれている。
「1」この能力はそう簡単なものとは思えない。赤ん坊は目でお母さんの顔を見て、それを自分の顔の形を変える筋肉の活動に訳さなければならない。大人なら鏡を見て自分の顔がどう変わるかわかるが、生まれて数ヶ月の赤ん坊にそんなことはできない。
「2」クールの最近の研究によると、赤ん坊はお母さんの口の形」を見ただけで、それがどの声に対応するかを知っている。クールは次のような実験で、これを証明した。
まず、スピーカーから「ア」という音を出す。そして、二つのテレビの画面のうち、一つにはお母さんが「ア」というときの顔を見せ、もう一つの画面には「イ」の声を出している顔を映す。そして、隠しカメラで赤ん坊の目や頭が、どちらを向いているか記録してみると、赤ん坊は「ア」といっている顔の方に目や頭を向けることがわかる。
人間の社会では声と顔の表情が大切な信号だから、赤ん坊が声と顔の関係を早く習う能力を持って、生まれてくるのであろう。「___3___」、口の形と声との関連性は、赤ん坊の頃から頭に焼き付けられる。
とがらす:鋭く細くする
クール:研究者の名前
どの声に対応するか:どの声を表すか
頭に焼き付ける:しっかりと記憶する
「1」この能力はそう簡単なものとは思えないとあるが、それはなぜか。
1.
母親のしゃべりかけるときの表情の意味を理解するのは難しいから
2.
母親をみて自分がどちらを向くかすぐにきめなければならないから
3.
母親を見て自分の顔の筋肉を同じように動かす必要があるから
4.
母親のしゃべりかける内容の意味を理解するのは難しいから
「2」クールの最近の研究の結果から考えると、母親の「イ」という声を赤ん坊に聞かせた場合、赤ん坊はどうすると思われるか。
1.
「イ」というときの母親の顔の画面を見る。
2.
「あ」というときの母親の顔の画面を見る。
3.
本物の母親がどこにいるか、さがす。
4.
母親の声のした方をふりかえる。
1.
しかし
2.
しかも
3.
といっても
4.
このように
1.
人間は生まれてすぐ、母親の顔の真似ができる。
2.
大人になると、顔と声を分けて理解するようになる。
3.
赤ん坊は母親の「イ」の顔より「ア」の顔の方が好む。
4.
人間は生まれてから早い時期に顔と声の関係を学習する。