JLPT N2 – Reading Exercise 82

#215

以下いかは、企業きぎょう経営けいえいについてかれた文章ぶんしょうである。 いろんな規則きそく罰則ばっそくつくって、社員しゃいんをがんじがらめにしてひたすらはたらかせるというタイプの経営者けいえいしゃも、まあ今時いまどきすくないとはおもうが、まだいることはいる。「1」そういうやりかた間違まちがっているとおものは、たとえそれで社員しゃいん労働力ろうどうりょく物理的ぶつりてきに100パーセントすことができたとしても、そのかわり精神面せいしんめんでの労働力ろうどうりょくてることになるからだ。 精神面せいしんめんでの労働力ろうどうりょくというのは、たとえば創意工夫そういくふうする能力のうりょくだ。強制的きょうせいてき仕事しごとをさせるやりかたでは、ひと創意工夫そういくふう能力のうりょくすことはできないのだ。人間にんげんこころは、自由じゆうなときにその本来ほんらい能力のうりょく発揮はっきする。たのしんで、興味きょうみってなにかをしているとき、ひとはいろんなアイデアをおもいつく。(中略ちゅうりゃく) そして、どんな仕事しごとであろうとも、人間にんげんのする仕事しごとには、この創意工夫そういくふう才能さいのう重要じゅうよう役割やくわりたす。一日中いちにちじゅう、ひたすらネジをめる仕事しごとであっても、だ。どうすれば不良品ふりょうひんらせるか、どうすれば作業効率さぎょうこうりつげられるか。たとえばQC活動かつどう(Quality Control:品質管理ひんしつかんりのこと)をとおして、作業さぎょうするひと自分じぶんたちで「2」そういうこと積極的せっきょくてきかんがえるようになるシステムをつくげたからこそ、日本にほん製造業せいぞうぎょう世界一せかいいちになれたのだ。 そしてそういう能力のうりょくすためには、従業員じゅうぎょういんにとって、そこではたらくことが本当ほんとう意味いみ自分じぶんのためになるという環境かんきょうつくることがかせない。 本人ほんにんしあわせと会社かいしゃ業績ぎょうせき一致いっちすれば、愛社精神あいしゃせいしんなんてものは自然しぜんそだつ。強制きょうせいなんかしなくても、従業員じゅうぎょういんはプライドをってこころから会社かいしゃのためにはたらこうとおもう。 (高田たかだ神助しんすけ『ごはん大盛おおもりにするオバチャンのみせかなら繁盛はんじょうするー絶対ぜったい失敗しっぱいしないビジネス経営哲学けいえいてつがく』による) がんじがらめにする:ここでは、しば

Vocabulary (36)
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1
「1」そういうやり方が間違っていると思うのはなぜか。
1. 社員からアイデアが生まれなくなるから
2. 社員のアイデアが採用されなくなるから
3. 社員の物理的な労働力が無駄になるから
4. 社員が会社を辞めたいと思うようになるから
2
「2」そういうこととは何か。
1. 仕事の楽しみ方
2. よりよい仕事の仕方
3. 単純な作業を減らす方法
4. 世界一の会社になる方法
3
筆者によると、経営者が社員の能力を引き出すために必要なことは何か。
1. 社員に自分の能力を高める方法を教えること
2. 社員に仕事に対してプライドを持つ大切さを教えること
3. 社員が集中して仕事に取り組める環境を作ること
4. 社員自身が働き続けたいと思える環境にすること