JLPT N2 – Reading Exercise 63

#196

はな言葉ことば」のもっと重要じゅうよう特徴とくちょうは、こえ使つかうところにあるのではなく、まえにいるというところにあります。はなは、したしい関係かんけい場合ばあいもあれば、初対面しょたいめんひときずりのひと場合ばあいもありますが、すくなくとも両者りょうしゃは、そこがどんな場所ばしょで、どんな状況じょうきょうであるかについて、一定いってい共通認識きょうつうにんしきっています。同時に、相手あいてがどういうひとであるかについても、ある程度ていどはわかります。 (中略ちゅうりゃく) ところが「言葉ことば」になると、たとえしたしい相手あいてへの手紙てがみでも、あちこちで説明せつめい必要ひつようになります。自分じぶんしかまないはずのおぼきでも、時間じかんがたつとかれた状況じょうきょうがわからなくなりますから、「あとでかえすかもしれない自分じぶん」への最低限さいていげん配慮はいりょはしておかなくてはなりません。説明せつめいするというのは、「自分じぶんには言葉ことばにしなくてもわかっていること」を、わざわざ言葉ことばにする作業さぎょうですから、とてもやっかいです。でも、そこがきちんとできていないと、

誤解ごかいしょうじてかえしのつかない結果けっかになることもありえます。めんとむかって(ちゅう5)のはなしなら、 相手あいてわるくすればいそいであやまることもできますが、手紙てがみだと、おこらせたことにづかないまま関係かんけいれるおそれすらあるのです。 ですから、「言葉ことば」においては、文字もじきという知識ちしきくわえて、自分じぶんいたものを相手あいてがどんな情報じょうほう必要ひつようとしているかを推測すいそくするちから、そして、その情報じょうほうを、どんなかた、どんな順序じゅんじょ提供ていきょうすれば、わかってもらいやすく、誤解ごかいしょうじにくいかをかんがえるちからが、いかにおおきな意味いみつかがかっていただけるとおもいます。 (脇明子わきあきこちから未来みらいをひらくー小学生しょうがくせいへの読書どくしょ支援しえん』による) きずりのひと:たまたま出会であったひと

Vocabulary (36)
Try It Out!
1
筆者によると、「話し言葉」の重要な特徴とは何か。
1. 話し手と聞き手が声を使って情報を共有するところ
2. 話し手と聞き手の関係が多様であるところ
3. 話し手が聞き手との親しさによって表現を使い分けるところ
4. 話し手が聞き手と場面を共有するところ
2
誤解が生じてとあるが、どのような時に誤解が生じるのか。
1. 読み手に必要な情報を十分に説明していない時
2. 読み手が理解していることを再び説明してしまった時
3. 自分のために書いたものを相手に送ってしまった時
4. 気を悪くした相手にきちんと謝らなかった時
3
「書き言葉」について、筆者の考えに合うのはどれか。
1. 相手がどのような情報を必要としているのかを調べることが大切だ。
2. 何をどのように書けば相手が理解できるかを考えることが大切だ。
3. 言い方や順序よりも文字と言葉の正確さを優先させたほうがいい。
4. 読み書きの知識よりも書く内容を重視したほうがいい。