JLPT N1 – Reading Exercise 42

#269

いままで、さかんに「学力がくりょく」という言葉ことば使つかってきたが、「学力がくりょく」とはなんであろうか。わたしたちが身近みぢか使つかっている「学力がくりょく」という言葉ことばは、おどろくなかれ、外国語がいこくご翻訳ほんやくできないのである。それは、学習がくしゅうしてどこまで到達とうたつしたかという、まなんだ成果せいかしめす「学力がくりょく」のほかに、まなちからという意味いみでの「学力がくりょく」があり、この両者りょうしゃ一体いったいとなって、わがくにでは「学力がくりょく」という言葉ことばをかたちづくってきたからである。したがって、ひとくちに「学力低下がくりょくていか」というときに、どちらの学力がくりょく低下ていかしているのかをきちんとしておかないとしておかないと、誤解ごかいしょうじることになる。大学だいがく関係者かんけいしゃおおくが指摘してきする「学力低下がくりょくていか」は、たんなる知識ちしきりょうりないというまなんだ成果せいかしめす「学力がくりょく」の低下ていかではない。どうしてまなんだらよいかからない、マニュアルどおりにしかできない、というまなちからとしての「学力がくりょく」の大幅おおはば低下ていか問題もんだいとして、現状げんじょううれえているのである。

Vocabulary (20)
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1
「現状 」とあるが、学力についての現状の問題と合っているものはどれか。
1. 知識の量が少ない学生が多い。
2. 学び方が分からない学生が多い。
3. 学生は「学力」の意味を誤解している。
4. 大学関係者は「学力」の意味を誤解している。
2
筆者の考える「学力」とは何か。
1. 学習して身につけた知識の量
2. 外国語学習における知識と学ぶ力
3. 学んだ成果と学ぶ力とを合わせたもの
4. どのようにして学んだらよいかを考えるカ