市場の製品のほとんどに何らかのマークが付いています。それに気づく人は少数であり、その意味を知ろうとする人はさらに少数でしょう。見方によればこれは「1」市場の健全さの表れです。製品が満足なもので取引がスムーズなら問題は起こらないでしょう。しかし、中には使用者に損害を与えたり危険にさらしたりする製品もあるのが現実です。
成熟した社会では、公共の利益に反する製品を市場から排除するために様々な仕組みと手段が使われていますが、製品に付けられている「適合マーク」もその一つです。これは製品が何らかの基準に適合していることの証明であり、製品の供給者から購入者および使用者に情報を伝える手段です。適合マークは、業者間の取引における要件として、また、消費者の購入判断を助ける手段として古くから使われてきましたが、それらは主に地域社会のツールであり、意味や使い方は地域社会のルールでした。
この事情は1980年代に一変します。市場のグローバル化により、見知らぬマークを付けた外国製品が各国の市場に溢れたからです。
適合マークが「2」本来の機能を果たすには、そのマークが多数の人々に認知され、意味が正しく理解されていることが必要です。また、マークが伝える情報の信頼性を支える適合性評価が適切に行われたことの証拠が必要です。そこで、ISO(国際標準化機構)は1996年に適合マークに関する検討グループを設置し、問題の分析と解決策の検討を開始しました。
(田中正躬監修・編著『氾濫するマークー多様化する認証』による)
「1」市場の健全さの表れとあるが、何が健全さの表れか。
1.
製品のマークに無関心な人が多いこと
2.
製品のマークの意味を知らない人がいないこと
3.
製品のほとんどにマークが付いていること
4.
製品の質がマークによって保証されていること
1.
製品の不具合や問題点が解決されていることを証明する。
2.
外国製品と自国の製品とを区別するための情報を与える。
3.
消費者の購入意欲を高めるとともに、地域社会の経済を支える。
4.
消費者に安心できる製品であることを伝え、公共の利益を守る。
適合マークについて、検討が必要になったきっかけは何だと筆者は述べているか。
1.
外国製品に対する消費者の関心が高まったこと
2.
各国の適合性評価への信頼性が失われていったこと
3.
各国の適合マークが混在して理解しにくくなったこと
4.
適合マークが付いていない外国製品が流通し始めたこと