JLPT N1 – Reading Exercise 43

#270

市場しじょう製品せいひんのほとんどになにらかのマークがいています。それにづくひと少数しょうすうであり、その意味いみろうとするひとはさらに少数しょうすうでしょう。見方みかたによればこれは「1」市場しじょう健全けんぜんさのあらわです。製品せいひん満足まんぞくなもので取引とりひきがスムーズなら問題もんだいこらないでしょう。しかし、なかには使用者しようしゃ損害そんがいあたえたり危険きけんにさらしたりする製品せいひんもあるのが現実げんじつです。 成熟せいじゅくした社会しゃかいでは、公共こうきょう利益りえきはんする製品せいひん市場しじょうから排除はいじょするために様々さまざま仕組しくみと手段しゅだん使つかわれていますが、製品せいひんけられている「適合てきごうマーク」もその一つです。これは製品せいひんなにらかの基準きじゅん適合てきごうしていることの証明しょうめいであり、製品せいひん供給者きょうきゅうしゃから購入者こうにゅうしゃおよび使用者しようしゃ情報じょうほうつたえる手段しゅだんです。適合てきごうマークは、業者ぎょうしゃかん取引とりひきにおける要件ようけんとして、また、消費者しょうひしゃ購入こうにゅう判断はんだんたすける手段しゅだんとしてふるくから使つかわれてきましたが、それらはおも地域ちいき社会しゃかいのツールであり、意味いみ使つかかた地域ちいき社会しゃかいのルールでした。 この事情じじょうは1980年代ねんだい一変いっぺんします。市場しじょうのグローバルにより、見知みしらぬマークをけた外国がいこく製品せいひん各国かっこく市場しじょうあふれたからです。 適合てきごうマークが「2」本来ほんらい機能きのうたすには、そのマークが多数たすう人々ひとびと認知にんちされ、意味いみただしく理解りかいされていることが必要ひつようです。また、マークがつたえる情報じょうほう信頼性しんらいせいささえる適合性てきごうせい評価ひょうか適切てきせつおこなわれたことの証拠しょうこ必要ひつようです。そこで、ISO(国際こくさい標準化ひょうじゅんか機構きこう)は1996ねん適合てきごうマークにかんする検討けんとうグループを設置せっちし、問題もんだい分析ぶんせき解決策かいけつさく検討けんとう開始かいししました。 (田中たなか正躬まさみ監修かんしゅう編著へんちょ氾濫はんらんするマークー多様化たようかする認証にんしょう』による)

Vocabulary (62)
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1
「1」市場の健全さの表れとあるが、何が健全さの表れか。
1. 製品のマークに無関心な人が多いこと
2. 製品のマークの意味を知らない人がいないこと
3. 製品のほとんどにマークが付いていること
4. 製品の質がマークによって保証されていること
2
「2」本来の機能とあるが、どのような機能か。
1. 製品の不具合や問題点が解決されていることを証明する。
2. 外国製品と自国の製品とを区別するための情報を与える。
3. 消費者の購入意欲を高めるとともに、地域社会の経済を支える。
4. 消費者に安心できる製品であることを伝え、公共の利益を守る。
3
適合マークについて、検討が必要になったきっかけは何だと筆者は述べているか。
1. 外国製品に対する消費者の関心が高まったこと
2. 各国の適合性評価への信頼性が失われていったこと
3. 各国の適合マークが混在して理解しにくくなったこと
4. 適合マークが付いていない外国製品が流通し始めたこと