日本には、(1)「湯水のごとく使う」という言い方がある。「金などを湯や水を使うように、考えなしに、どんどん使ってしまう」という意味である。
日本では、昔から水が豊かだと考えられてきた。雨も多いし川も多い。特に東京や大阪など大きな川のそばにある都市では、あまり水に不自由しなかった。
また、日本人は風呂が好きである。たっぷり入れた湯につかり、その湯をどんどん使って体を洗う。実に気持ちのいいものだ。
しかし、最近は、「湯水のごとく」という言い方は、(2)ちょっと待ってくれという感じになってきた。世界の至る所で水が不足しているのである。日本のような国は例外で、大きな川の流域では、川の水をめぐって国同士が争っているほどである。雨が降らず、作物が全くとれない国も多い。
さらに、温泉を別にすれば、湯をわかすには燃料が必要だ。石油にしてもガスにしても、決して無限ではない。また、それらを燃やした時に出る二酸化炭素は、地球温暖化の原因とされている。
もはや、日本人は、湯や水を、文字通り「湯水のごとく」使えなくなっているのである。
(1)「湯水のごとく 」という表現の背景には、日本人のどのような考え方があるか。
1.
水はたくさんあるので、気にしないでいくら使ってもいい。
2.
水はたくさんあるが、大切に使わなければならない。
3.
お金も水も気にしないでどんどん使ったほうがいい。
4.
お金も水と同じように、他人に分け与えるべきだ。
最近は、なぜ(2)「ちょっと待ってくれ」という感じなのか。
1.
日本は、水を得るために他の国と争うようになったから
2.
最近、日本では、昔ほど風呂で湯水を使わなくなったから
3.
日本では、雨が少なくなって、水が不足してきているから
4.
多くの国で水不足になっており、水の大切さを認識すべきだから
湯を「湯水のごとく」使えなくなった理由として正しいものはどれか。
1.
地球温暖化の影響で、湯の量が減っているから
2.
温泉を作るためには、石油やガスなどの燃料をたくさん使うから
3.
温泉から出る二酸化炭素は、地球に悪い影響を与えるものだから
4.
水を湯にするために使う石油やガスは、いつかなくなるものだから