JLPT N2 – Reading Exercise 79

#212

ふるさとや家族かぞくについて、はじめて意識的いしきてきかんがえたのは18歳じゅうはっさいのときだった。つまり、家族かぞくはなれて、東京とうきょう一人暮ひとりぐらしをはじめたときである。 かなり重症じゅうしょうのホームシックで、やすみになるとすぐに帰省きせいした。で、かえってなにをするかというと、特別とくべつなことはなにもない。 ふるさとは、かえってみると、じつになんでもないところである。そして、そのなんでもなさが、ふるさとの魅力みりょくなのだ、と思う。 あたりまえのことの大切たいせつさやありがたさにづくためには、すこしはなれてるのがいい。ふるさとをはなれると、ふるさとのよさがえてくる。 (俵万智たわらまち101個ひゃくいちこめのレモン」による)

Vocabulary (16)
Try It Out!
1
本文の要約として最も適当なものはどれか。
1. ふるさとから離れていると、都会にあるものがふるさとにはない二とに気づくことがある。
2. ふるさとは都会から遠く離れていて、何もないように見えるが、よく探してみると、都会と同じような魅力がある。
3. ふるさとのように、あるのが当然だと思っているものの価値は、そこから少し距離を置くことでわかるようになる。
4. ふるさとで家族と葬らしていると、そのありがたさが意識できるので、なんでもない日常の生活の大切さがわかるようになる。