JLPT N1 – Reading Exercise 77

#304

人ひとに会あうときの心構こころがまえは、どんな場合ばあいでも同おなじだが、初対面しょたいめんのときは特とくに細こまかいところまで気きを配くばる必要ひつようがある。第一印象だいいちいんしょうは決定的けっていてきだ。最初さいしょの出会であいのときに、どんな人ひとであるか、だいたいの判断はんだんをされてしまい、それは固定観念こていかんねんとなってしまう。そのあとで、少すこしぐらい異ことなった発言はつげんをしたり、新あたらしい行動様式こうどうようしきが見みられたとしても、第一印象だいいちいんしょうの内容ないようのそれぞれに無理むりやり当あてはめられてしまう。すなわち、第一印象だいいちいんしょうによって形成けいせいされた先入観せんにゅうかんないしは偏見へんけんという「色眼鏡いろめがね」ですべてが見みられてしまうのだ。その色眼鏡いろめがねを外はずさせたり、異ことなった色いろのものに変かえさせたりするのは、至難しなんの業わざである。したがって、自分じぶんをもっともよく見みせる色眼鏡いろめがねを、相手あいてに最初さいしょからかけてもらうように努つとめる必要ひつようがある。（山暗武也やまあんたけや「２０代だいからの気きのきいた「マナー」がわかる本ほん』三笠書房みかさしょぼうによる）至難しなんの業わざ:とても難むずかしいこと