JLPT N1 – Reading Exercise 69

#296

克服こくふくすることがむずかしい障壁しょうへきがあるときに、当初とうしょ目標もくひょう達成たっせい断念だんねんして、そのわりに、もとの目標もくひょう類似るいじしたほか目標もくひょう達成たっせいすることによって、要求ようきゅう充足じゅうそくをはかることを代償行動だいしょうこうどうという。テニスがあめのためできなくなるとピンポンをしたり、Aしゃ入社にゅうしゃできなかった学生がくせいが、それとおな系統けいとうのBしゃ入社にゅうしゃして満足まんぞくするようなものである。Aとのこいみのらなかったので、AにどことなくたところのあるBしたしくなったというのもおなじである。以上いじょうのようなときBはAにたいして「1」代償価だいしょうかをもつという。BがAにくらべて達成たっせいするのが非常ひじょう容易よういであったり、価値的かちてきひくいものであれば、Bを達成たっせいしてもAにたいする代償だいしょうにはならない。BがAに類似るいじし、Bをることの困難度こんなんどが、Aをることの困難度こんなんどよりもおおきいか、ちがいがないときに代償価だいしょうかだいとなる。つまり「___2___」気持きもちになるのである。 しかし代償行動だいしょうこうどうはいつでもしょうずるものではない。当初とうしょ目標もくひょう指向しこうする要求ようきゅうつよ切実せつじつ場合ばあいには代償行動だいしょうこうどうによる満足まんぞくしょうじがたい。ただのあそ相手あいてならそれをうしなってもほかのものにようて代償満足だいしょうまんぞくられても、真剣しんけんこい場合ばあいにはほかのひとではえられないのである。「3」ほかのひとわりになるような関係かんけいであれば、本当ほんとうきとはいえないのである。 (詫摩たくま武俊たけとしきときらいの心理学しんりがく講談社こうだんしゃによる)

Vocabulary (24)
Try It Out!
1
「1」代償価をもつ を表している発話の例として最も適当なものはどれか。
1. 「本当はあっちが欲しかったんだけど、ちょっと手が出ないな。しかたがない、こっちで我慢しとこうか。これもけっこういいね。」
2. 「本当はあっちが欲しかったんだけど、こっちでもいいかと思って、こっちにしちゃった。でも、これじゃ、やっぱりだめだね。」たんだ。よかったよ、待っていて。」
3. 「本当にあっちが欲しかったので、他のものには目もくれずに、ずっと我慢していたんだ。よかったよ、待っていて。」
4. 「本当はあっちが欲しかったんだけど、実はこっちにも目をつけていたんだ。どっちも手に入るとはね。」
2
「___2___」に入るものはどれか。
1. Bを得たことでAを失ったような
2. Aを得たことでBを失ったような
3. Aを得たことでBを得たような
4. Bを得たことでAを得たような
3
「3」ほかの人でも代わりになるような関係 とはどんな関係か。
1. 本文中では「ほかの人で代わりになるような関係」となっていましたが、正答を導き出すためには影響はありません。
2. 代償行動の要求を強く持つ関係
3. 代償行動では満足できない関係
4. 代償行動で満足できる関係
5. 代償行動に至らない関係