JLPT N1 – Reading Exercise 61

#288

親孝行おやこうこうというはなしをすれば、わたしはいろんなひとに、子供こども期待きたいするなよ、ということをうんですね。なかば冗談じょうだんなのですが、子供こども親孝行おやこうこうなんかする必要ひつようないんだと。なぜかといえば、子供こどもまれるまえ、そしてまれた瞬間しゅんかん、それからむっななつぐらいまでのあいだに、子供こどもおやきるよろこびというものを十分じゅうぶんあたえつくしているのだから、というふうにうのです。 むかしわたし友人ゆうじんでも、まれる子供こども名前なまえ一生懸命いっしょうけんめいかんがえて、ひまがあればノートにきつけているようなおとこが、おりました。そのことはかれきていくうえでのひとつのよろこびだったとおもいます。そして子供こどもまれる。そのうちに片言かたことでパパ、なんてったりする。それからあるくようになる。(中略)幼稚園ようちえんにはいり、小学校しょうがっこうにあがる。子供こども誕生たんじょうから成長せいちょう過程かていのなかで、そのつど両親りょうしん言葉ことばにつくせないほどの人生じんせいよろこびというものをあじわいっくしているんじゃないかとおもいます。 (五木いつき寛之ひろゆき人生じんせい目的もくてき」による)

Vocabulary (22)
Try It Out!
1
筆者の考えと合うものはどれか。
1. 親は子供に親孝行を期待してもよいが、子供が十分成長するまで待うべきであろう。
2. 親は子供が幼い時に愛情を与えつくしたのだから、子供が親孝行するのは自然であろう。
3. 子供は幼いころに親に対して生きる喜びをすでに与えておリ、それが何よりの親孝行であろう。
4. 子供の成長は親にとって生きていく上で喜びだが、子供の側も親が喜ぶように孝行するべきであろう。