JLPT N1 – Reading Exercise 62

#289

大人おとなのことばとどものことばの場合ばあいも、大人おとなのことばが「中心ちゅうしん」で、どものことばは「中心ちゅうしん」ではありません。だから、普通ふつうは、わたしたちは、「中心ちゅうしん」であるところの大人おとなのことばを維持いじしなければならないとおもっており、どもがなにわったかたをしますと、(___1___)。 しかし、その反面はんめんどものことばというのは、かならずしも全部ぜんぶ大人おとなのことばにわせてなおされてしまうわけではありません。それは、ことばというのが、時代じだいとともにわるということをみればすぐわかることです。「ことばがわる」という場合ばあい、それは だいから世代せだいへのうつわりで、(2)ずれがこっているということですし、そのずれというのは、どものことばにはじまったものが、それをなおそうとするこころみにもかかわらず、しきれなくて、それが大人おとなのことばのなかはいみ、言語げんごえるのだとかんがえることができます。こんなふうにかんがえてきますと、(3)中心ちゅうしん」でないものも、最近さいきんのことばを使つかいますと、文化ぶんかというものを「活性化かっせいか」する、つまり、それに活力かつりょくあたえる。そういう意味いみっているものとしてとらえなおすことができるわけです。 (池上いけがみ嘉彦よしひこ「ふしぎなことばことばのふしぎ」筑摩書房ちくましょぼうによる)

Vocabulary (12)
Try It Out!
1
(___1___)に入るものとして最適当なものはどれか。
1. それはおかしいと言って直すことをやります
2. それはいいと言って大入の言葉に取り入れます
3. 無理に直そうとしないでしばらく様子を見ます
4. 全く直そうとしないでそのまま放っておきます
2
(2)ずれが起こっているとは、例えばどういうことか。
1. 大人のことばが子どものことばを活性化すること
2. 子どものことばが大人のことばの中に入り込むこと
3. 子どものことばと大人のことばがお互いに活性化しあうこと
4. 大人のことばが子どものことばの中にいつのまにか入り込むこと
3
(3)『中心』でないものとは何を指すか。
1. 昔のことば
2. 大人のことば
3. 子どものことば
4. 世代間のことばのずれ