JLPT N1 – Reading Exercise 35

#262

職業しょくぎょうとして芸術家げいじゅつか学者がくしゃ、あるいは創造そうぞうにかかわるひとびととは生涯しょうがいコドモとしての部分ぶぶんがその作品さくひんをつくる。その部分ぶぶん水分すいぶん蒸発じょうはつせぬようこころがけねばならないが、このことは生活人せいかつじんのすべてにつうじることである。万人ばんにんにとって感動かんどうのある人生じんせいおくるためには、自分じぶんのなかのコドモを蒸発じょうはつさせてはならない。 じつをいうと、こののたいていの職業しょくぎょうは、オトナの部分ぶぶん成立せいりつしている。とくに法律ほうりつ経理けいりのビジネスの分野ぶんやはそうである。ところが、うれしいことに、そういう職業人しょくぎょうじんのなかに豊潤ほうじゅん鑑賞家かんしょうか趣味人しゅみじんが多い。 (司馬遼太郎しばりょうたろう風塵抄ふうじんしょう』による)

Vocabulary (19)
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1
うれしいことにとあるが、何がうれしいのか。
1. この世のたいていの職業は、コドモの部分も必要としていること
2. コドモの部分で成立している職業の人は、感動のある人生を送れること
3. コドモの部分を持っていれば、オトナの部分で成立している職業に就けること
4. オトナの部分で成立している職業の人でも、コドモの部分を持ち続けていること