JLPT N1 – Reading Exercise 30

#257

日本語にほんごおおきな特徴とくちょうには、母音ぼいんおおいということ以外いがいに、くちびるをあまり使つかわずに、くちおく構音こうおんする(言葉ことばをつくる)というてんもある。つまり、口元くちもとうごかさずに、のど言葉ことばをつくってるかんじだ。だから、日本語にほんごをしゃべっていると、能面のうめんとかポーカーフェイスといわれる無表情むひょうじょうかおになる。外国人がいこくじんにとっては、「いちこれがすごく不気味ぶきみおもえるらしい。 (中略ちゅうりゃくためしに、鉛筆えんぴつかボールペンかなにかを、横向よこむきにくわえてしゃべってみよう。日本語にほんごだとちゃんときとれるようにしゃべれるが、たとえば英語えいごだと、なにってんだかわからなくなる。日本語にほんごくちおく構音こうおんするが、英語えいごなどはくちさきっぽで構音こうおんする からだ。くちさきっぽに「くちかせ」をはめられちゃうと、どうにもならないのだ。 中国語ちゅうごくごでも「くちかせ」をはめると、なにってるんだかわからなくなる。というよりも発音はつおんすること自体じたい、ほとんど不可能ふかのうになってしまう。同じアジアのとなりさんのくにでも、全然ぜんぜんちがうのだ。母音ぼいんおおいだけでなく、発音はつおんのしかたからしても、日本語にほんご喉声のどごえきにできている。ぎゃく日本語にほんごだからこそ、喉声のどごえ完成かんせいされたのかもしれない。日本語にほんごはつまり「喉語のどごなのだ。 (中野なかのじゅん日本人にほんじんごえ』NTT出版しゅっぱんによる)

Vocabulary (11)
Try It Out!
1
「1」これとあるが、何のことか。
1. 母音が多いこと
2. 表情を変えずに話すことと
3. 喉から音が出てくること
4. 発音のしかたが違うこと
2
文中の口かせをはめる の説明として正しいものはどれか。
1. 口元を見せないように能面を顔につけること
2. 口が開かないように、唇を閉じたままにすること
3. 唇が動かないように、細長いものを横にくわえること
4. 小さい声でしか話せないように、口のまわりに布をかぶせること
3
「2」喉語とは何か。
1. 口元をあまり動かさず、口の奥で言葉をつくる特徴を持つ言語
2. 口元をよく動かしながら、口の奥で言葉をつくる特徴を持つ言語
3. ボールペンを横にくわえると、発音することが不可能になるような言語
4. ボールペンを横にくわえて話すと、母音が聞き取りやすくなるような言語