JLPT N2 – Reading Exercise 94

#227

わたしはどちらかとえば楽天的らくてんてきだが、むかし営業えいぎょう強烈きょうれつなノルマにくるしんだこともある。そういう日々ひびなかから「いちいつしかにつけたことのひとつが「しあわかんのハードルをひくくする」だった。 たとえば、あと一歩いっぽのところで契約けいやくむすべなかった会社かいしゃもどってしょげかえるわりに「あの社長しゃちょう一時間いちじかんはなせるところまできた」と自分じぶん成果せいかつけて評価ひょうかする。そうやって一日いちにちめくくれば、明日あしたへの活力かつりょくいてきた。 仕事しごとそのものも、「仕事しごと趣味しゅみあそびとはちがう。仕事しごとお金おかねをもらうのだから、たのしくないことがあってもたりまえ」とおもってやってきた。「そこ基準きじゅんにすれば、少々しょうしょうのことは当然とうぜんのこととしてれられるし、なにかいいことがあったときは「お金おかねをもらいながらこんな気持きもちをあじわえるなんて」としあわかん倍増ばいぞうする。 どうせ人生じんせい一定いってい時間じかん仕事しごとついやすのなら、その時間じかんたのしいとおもえるほうがいいにまっている。それにたのしいとおもってすることは、なにかとスムーズにはこ成果せいかもあがるものだ。こうして好循環こうじゅんかんまれてくる。 ひとたのしいから笑顔えがおになるのだが、「まず笑顔えがおをつくると、それによってたのしい気持きもちがいてくる」という研究けんきゅう結果けっかがあるという。これにならえば、充実感じゅうじつかんられる仕事しごとにするには、たのしめる仕事しごとさがすのも大事だいじだが、ちいさなことでもたのしめるようになることも意外いがいにあなどれないポイントだ。 (高城たかぎ幸司こうじ上司じょうしにつけるくすり!-マネジメント入門にゅうもん』による) 強烈きょうれつノルマ:きびしい条件じょうけんされる仕事しごと ハードル:ここでは、基準きじゅん しょげかえる:ひどくがっかりする あなどれない:軽視けいしできない

Vocabulary (53)
Try It Out!
1
「1」いつしか身につけたことのひとつの例として近いものはどれか。
1. ピアノの先生には何も言われなかったけれども、自分ではうまくひけなかったので次はもっと頑張りたいと思う。
2. パーティーの準備をするのが大変だったけれども、みんなが喜んでくれたのでまたぜひ開きたいと思う。
3. 強いチームが相手で試合に勝てなかったけれども、得点を入れることができたのでよかったと考える。
4. 何かを買おうと思っていたわけではないけれども、ちょうど気に入った服が見つかったのでよかったと考える。
2
「2」そことは何か。
1. 仕事には苦労があるものだということ
2. 仕事をすれば何かいいことがあるということ
3. 仕事ではお金をもらうのが当然だということ
4. 仕事はうまくいかなくて当たり前だということ
3
この文章で筆者の言いたいことは何か。
1. 仕事も精一杯頑張ればそれだけ充実感を得ることができる。
2. 仕事もまず表情を意識することで楽しい気持が湧いてくる。
3. 自分が本当に好きな仕事であれば笑顔で楽しむことができる
4. 小さいことに喜びを持つことで楽しく仕事ができるようになる