年齢というのは、相手を理解する上での「1」重要なキーワードだと、わたしは思っている。
同じく、自分を理解してもらう上での重要なキーワードでもある。
「同じ世代だったんですね。じゃあ、あれ、ご存じでしょ~」
ということもあれば、
「へえ、十歳ちがうと、やっぱり考え方が異なってくるものですねえ」
ということもあるだろう。
それにわたしは、「2」自分の年齢を恥じたりしていない。若くして亡くなる人もいるというのに、わたしはいま現在で半世紀もの年月を生きることができた。いやなこともいいこともいっぱいあったが、そのどれもが、かけがえのないわたしの人生、一年たりとも否定したりごまかしたりしたくはない。
しかし、かなりの文化人ではあっても、女性の中には年齢を公けにしたがらない方がけっこういらっしゃるようだ。あるシンポジウムに参加した時、パンフレットのパネラー紹介で、わたしのところだけ年齢がなかった。他のパネラーは男性で、全員、ちゃんと年齢が記されている。どうしてでしょうと問い合わせせると、「3」女性の方は年齢を入れないでほしいとおっしゃる方が多いので、と言われた。つまり、勝手に気遣って、わたしだけ年齢を伏せてくださったとうわけだ。よけいなお世話である。ひとこと、どうしますかと尋ねてほしかったのにと、「4」かえって腹がたった。
(山崎洋子「隼齢は堂々と1コにしよう」「笑顔』1999年2月号―保健同人社による)
かけがえのない:他に代えられない、大切な
シンポジウム:ある問題についての意見や研究結果の発表会
パネラー:シンポジウムなどの講師・発言者
「1」重要なキーワードだとあるが、なぜキーワードなのか。
1.
お互いを理解するのに重要な手掛かりになるから。
2.
自己紹介の時に言わなければならない事柄だから。
3.
見かけにだまされないようにするのに重要だから。
4.
年齢が違えば話し方を変えなければいけないから。
「2」自分の年齢を恥じたりしていないとあるが、なぜ恥じたりしないのか。
1.
これからも長生きをする自信があるから。
2.
今までの人生は自分にとって貴重だから。
3.
いやなことをたくさん解決してきたから。
4.
本当の年齢よりももっと若く見られるから。
「3」女性の方は年齢を入れないでほしいとおっしゃる方が多いので、と言われたとあるが、だれに言われたのか。
1.
パネラーの男性
2.
文化人の女性
3.
シンポジウムの主催者
4.
シンポジウムの参加者
「4」かえって腹がたったとあるが、なぜ腹がたったのか。
1.
年齢を書かれたくななったのに、書かれてしまったから。
2.
パネラーは自分だけが女性で他の人は皆男性だったから。
3.
文化人であっても年齢を公にしたがらない女性が多いから。
4.
相手が、筆者も年齢を書かれたくないだろうと考えたから。