豆腐の若者と友だちの話
昔、ある村に豆腐の若者が住んでいました。豆腐の若者は白くて元気で、かっこよかったので、大根、ごぼう、にんじんの娘たちや、なすびもみんな彼が好きでした。毎日、娘たちは豆腐のためにお弁当を作ってあげたり、いろいろな世話をしてあげました。豆腐はとても幸せでした。ある日、村のお祭りで、豆腐は里芋とお酒を飲みながら話しました。里芋は「誰と結婚したいですか?」と聞きました。豆腐は「大根もごぼうもにんじんも好きじゃない。なすびは年をとっているから嫌だ」と言って笑いました。里芋は怒って、娘たちに「もう豆腐の世話をしなくていい」と言いました。娘たちも怒って、豆腐の世話をやめました。それから、豆腐は一人になり、とてもさびしくなりました。みんなのやさしさが大切だったと、やっと気がつきました。でも、豆腐は病気になってしまいました。娘たちとなすびが見舞いに来ると、豆腐は「ごめんなさい」とあやまりました。みんなは「元気になって」と言いましたが、豆腐は「もう元気な豆には戻れない」と言って、悲しそうにしました。