十五夜のだんごとおばあさん
昔から、秋の満月の日に、月にお団子をあげて、たくさん食べ物ができるようにお祈りします。鹿児島県に、十五夜のときのことを伝える昔話があります。村に、おじいさんとおばあさんが住んでいました。貧しくて、今年は大豆が少ししかできませんでした。おばあさんは、隣の家に豆を借りに行きました。しかし、お金持ちの隣の人は、古い豆でいいと言って貸してくれませんでした。おばあさんは、隣の家の畑で豆を盗んで、お団子を作りました。しばらくして、隣の人が来ました。隣の人の畑では大根の種ができなかったので、種を貸してほしいと言いました。おばあさんは、昔、古い豆でお団子を作った人の畑で、種ができなかった話をしました。隣の人は、困ったときはお互いさまと言って、種を借りて帰りました。おばあさんは「隣の人の畑の豆を盗んで、お団子を作ったから、これでお互いさまです」と言いました。