お月さまが帰るのをわすれた話
昔、愛媛県の山の下の村に「だばだぬき」というたぬきがいました。だばだぬきは、村の畑の作物を食べたり、壊したりしていました。ある日、だばだぬきは村の家に入って、食べ物をたくさん食べました。家の人が作ったみそ汁も飲みました。たぬきは、のどがとても渇きました。いつもこんなにのどが渇くことはありませんでした。たぬきは、誰かが呪いをかけたと思いました。そして、「おいとかわうそ」のせいだと思いました。かわうそは、川の水が流れるのを止める「せき」を直していました。そこへ、たぬきが大きなかにに変わって来ました。かわうそは、「誰かが化けている」と思いました。かわうそは、さると青いかきに変わりました。たぬきとかわうそは、どちらが上手に化けるか、勝負をしました。空には、月が出ていました。月は、面白そうにたぬきとかわうそを見ていました。月が見ていると、太陽が出てきました。たぬきとかわうそは、疲れてしまいました。たぬきは「どちらが勝ったんだ」と言いました。かわうそは「月に聞いてみろ」と言いました。太陽が出ても、月が見えることがあります。この月を「あさつき」と呼びます。