JLPT N2 – Reading Exercise 27

#160

A 「新入社員しんにゅうしゃいんをしかったら会社かいしゃなくなってしまった。」「わか社員しゃいんのしかりかたがかわらない。」こんなベテラン社員しゃいんなやみをくことがおおくなった。いま若者わかものおやから大事だいじあつかわれ、しかられた経験けいけんがほとんどないまま大人おとなになってしまった。上司じょうしからしかられると、ショックにえられない、なぜしかられたのかわからないと若者わかものおおい。 しかし、とも会社かいしゃ一員いちいんであり、上司じょうしには部下ぶかそだてる義務ぎむがある。ときにはしかることも必要ひつようだ。人間にんげんはミスをするものなのだから、いつもめられてばかりなんてことはない。だれにでも、しかられてはじめてあやまりにづいたという経験けいけんがあるはずだ。人間にんげんはそれをきっかけに成長せいちょうするものだ。 B 部下ぶかのミスを指摘してきするのは上司じょうしつとめだ。しかし、それはかならずしも部下ぶかをしかることではない。たしかに、しかれば部下ぶか自身じしん失敗しっぱいづく。だが一方いっぽうで、部下ぶか上司じょうしおそれるだけで、なぜ失敗しっぱいしたのか、どうすればおなじミスをせずにすむかをいて分析ぶんせきすることができない。最近さいきんわか社員しゃいんはしかられた経験けいけんとぼしいため、しかられると自分じぶん否定ひていされたとかんじてやるうしなってしまうものもにる。 そういう場合ばあいには、上司じょうしはしかるわりに「どうしたんだ。きみらしくもない。」とおだやかにうのはどうだろうか。こうえば相手あいてみとめつつ、失敗しっぱいした事実じじつをわからせることができる。これなら部下ぶか現実げんじつれることができ、その原因げんいんかんがえるはずだ。

Vocabulary (23)
Try It Out!
1
AとBが共通して取り上げているのはどのような若者か。
1. しかられても気にしない若者。
2. しかられることに慣れていない若者。
3. しかられることを避けようとする若者。
4. しかられたことを認めようとしない若者。
2
部下が失敗したときの上司の対応について、AとBはどのように述べているか。
1. AもBも、部下がやる気を失わないように、あまりしからないほうがいいと述べている。
2. AもBも、しかることも必要だが、失敗の原因を考えさせることがより重要だと述べている。
3. Aはしかることで失敗を気づかせることが大切だと述べ、Bはしからずに部下に失敗の原因を考えさせるのがいいと述べている。
4. Aはしかることで成長を促すことが重要だと述べ、Bはあえて失敗を指摘する必要はなく、部下を信頼して任せるべきだと述べている。