おくん婆さんと大きなタコの足
熊本県天草市の「おくん瀬」という所に伝わる昔話です。とてもケチでお金が好きな「おくん婆さん」というおばあさんがいました。ある日、海岸で大きなタコの足を見つけました。おばあさんは、タコの足を売ったらお金をたくさんもらうことができると思いました。おばあさんは毎日タコの足を切って売りました。7本切ったときに、近所の人が「もう足が1本しかない。これ以上切るのはかわいそうだ」と言いました。おばあさんは聞きませんでした。夜、おばあさんは夢を見ました。タコが「最後の足だけは切らないで」と泣いていました。次の日、おばあさんはまたタコの足を見つけました。おばあさんはタコの足を引っ張りました。おばあさんは急に目が回って、海に落ちてしまいました。おばあさんは海に引っ張られて、いなくなりました。おばあさんがタコの足を切った所は、「おくん瀬」と呼ばれています。