たわしを大切にした女の子
ある店の主人は、物を大切にしないで、すぐに捨ててしまいました。店の人たちも、何でもすぐに捨ててしまうので、店の裏にはたくさんのごみがありました。ある夜、店の番頭さんが仕事をしていると、天井の上から声が聞こえました。番頭さんが見ると、急須や提灯、そろばん、わらじの顔をした神様が話しをしていました。「この店の人たちは何でもすぐに捨てるから困っている」と話していました。そして、「この店を焼いてしまおう」と言いました。番頭さんが驚いていると、「私は反対だ」と言う神様がいました。たわしの神様でした。「この店にいる女の人が、たわしを大切にしている。だから、焼くことはできない」と言いました。ほかの神様は、焼くのをやめました。次の日、番頭さんと主人は、たわしを大切にしている女の人にお礼を言いました。女の人は「たわしは特別な道具ではないけれど、大切に使うと長く使うことができます」と言いました。番頭さんと主人は、物を大切にするようになりました。