ケラを作るおじいさんと山の神さま
秋田県の昔話です。昔、山の中におじいさんが1人で住んでいました。おじいさんは山の木の皮で「箕」という物を作って、町で売っていました。ある日おじいさんが山で仕事をしていると、山より高い大きな男が来て、「たばこの火を貸してくれ」と言いました。おじいさんはびっくりしましたが、たばこの火を貸しました。そして、男の腕から血が出ているのを見て、薬の草を取りに行って、男のけがの手当てをしました。男は「山の中の物なら、何でも持ってきてあげる」と言って帰って行きました。おじいさんは大きな男が怖くて、家に帰ってからも怖い夢を見ました。しかし、男が言ったことが気になって、山に向かって「木の皮を持ってきて」と言いました。すると、夜に大きな足音がして、たくさんの木の皮が家の前にありました。男は山の神様だったのです。おじいさんが山に向かって何か言うと、すぐに山の神様が届けてくれました。おじいさんは元気に暮らしました。