じじばば岩のお話
昔、岩手県に、仲のいいおじいさんとおばあさんが住んでいました。2人には子どもがいませんでした。ある日、木の下で赤ちゃんが泣いていました。2人は赤ちゃんを大切に育てました。赤ちゃんは喜助という名前になって、働くのが好きで親を大切にする男の子になりました。その年、村に雨が降らなくなりました。井戸や池の水がなくなって、村の人たちは困っていました。ある夜、喜助は「わたしは本当は天に住む竜の子どもです。10年の間、人間の世界で勉強していました。今、天に戻って雨を降らせなければなりません」と言いました。喜助は竜になって、天に戻っていきました。おじいさんとおばあさんは喜助を追いかけて、川のところまで行きました。そして、空を見ながら何日も座っていました。2人は石になってしまいました。この石のことを、今の人たちは「じじばば岩」と呼んでいます。