橋立小女郎と大根の話
京都府の天橋立の近くに、昔、白いきつねがいました。白いきつねは人をだますことがありましたが、かわいいところもありました。きつねは、きれいな若い女性に変わることができたので、「橋立小女郎」と呼ばれていました。ある日、漁師の源十さんたちが船で魚を売りに行きました。船の中に小女郎がいて、魚を食べてしまいました。怒った源十さんは、きつねをひもで縛って、船の下に入れました。船がなかなか次の港に着かないので、源十さんは小女郎を火の中に投げました。小女郎は黒く焼けました。源十さんが村に帰って、みんなに見せると、焼けた大根が出てきました。小女郎は火に入れられる前に、大根と変わっていました。源十さんは、村の人に「大根の豪傑」と呼ばれるようになりました。