海女とフカ地蔵
これは、瀬戸内海の島の昔話です。昔、島に1人の海女がいました。海女は、海でアワビやサザエなどを取って働いていました。海女は夫を海で亡くして、1人で子どもを育てていました。とてもよく働いて、男の人よりたくさん取っていました。ある日の夕方、海女はいつもより遠くの海に行きました。たくさん取ることができましたが、風が強くなって海が荒れてきました。海女は岩にしがみついていましたが、海の中に沈みそうになりました。そのとき、サメが現れました。海女はサメの背中に乗ると、サメはとても速く泳ぎました。海女は落ちそうになったので、サメの背中に貝を取る道具を刺しました。そして、海女は浜まで泳いで帰ることができました。海女は体がよくなってから、いつものようにお地蔵さんの所に行きました。お地蔵さんは倒れていて、背中には道具を刺したあとがありました。海女は、サメはお地蔵さんだったとわかりました。海女は、もっとお地蔵さんを大切にしました。村の人も「サメのお地蔵さん」と呼んで大切にしました。