六兵衛さんとクマンバチ
昔、京都の伏見に六兵衛という人がいました。六兵衛は酒をつくるのが上手で、正直で優しい人でした。ある日、六兵衛の酒蔵にクマンバチが巣をつくりました。周りの人は「危ないから蜂をやっつけよう」と言いましたが、六兵衛は「蜂は何もしなければ刺さない」と言って、そのままにしておきました。蜂たちは、酒を飲むようになりました。周りの人は腹を立てましたが、六兵衛は「蜂が飲む量は少しだから」と言って、蜂たちに好きなだけ飲ませました。ある日、六兵衛たちは馬に酒樽を載せて、遠くまで配達に行きました。山の中で、山賊に襲われました。六兵衛たちは逃げることができましたが、馬と酒を取られてしまいました。すると、クマンバチがたくさん集まってきて、山賊を襲いました。山賊は蜂に刺されて、馬と酒を残して逃げました。蜂たちは、優しい六兵衛にお礼をしました。