豪女児死亡、両親含む宗教団体の14人に過失致死罪 医療受けさせず
オーストラリア東部クイーンズランド州で2022年に病死した8歳の女児に、必要な医療を受けさせていなかったとして、両親を含む宗教団体のメンバー14人が29日、過失致死の有罪判決を受けた
女児は2019年に糖尿病の診断を受け、22年1月にインスリン欠乏の合併症により、同州ブリスベン西郊の自宅で死亡した
判事は判決言い渡しにあたり、女児がひん死の状態にあった6日の間、被告らが治療に必要なインスリンの投与を拒否し、医療機関に助けを求めなかったために、死は避けられなくなったと指摘した
判決文によると、父親は21年8月、熱心な信者となっていた妻に続いて入信
22年1月の会合で、神が娘の糖尿病を治したと宣言し、その夜を最後に女児のインスリン治療をやめさせた
被告らは翌日から交代で女児に付き添った
女児の容体は悪化したが、被告らは神が女児を救うと信じ込み、枕元で祈りと歌を続けた
呼吸が止まった後も、神が生き返らせるのを待っていた
死後36時間が経過してから父親が緊急通報し、警察が出動した時も、家の前庭に約20人が集まり、音楽を演奏しながら祈っていたという
裁判はブリスベンの裁判所で9週間にわたって開かれた
60人が証言し、数百件の証拠が提出された
団体の指導者と女児の父親は当初、殺人の罪に問われていたが、女児が恐らく死に至ることを知っていた確証がないと判断され、過失致死罪に切り替えられた
女児の姉は裁判所の前で記者団に、有罪判決が出て「ほっとしている」と語った
量刑の言い渡しは来月11日に予定されている