てんぐとおじいさんとそばのはなし
山形県の村に、爺様が住んでいました。村は山に囲まれていて、畑で育てる物が少なくて、みんなの生活は楽ではありませんでした。爺様は、太陽の光がよく当たる山に畑をつくろうと考えました。爺様は「畑よ、できろ」と言いながら、働きました。すると、爺様の体が空に浮いて、畑ができました。爺様は、山の上まで畑をつくりました。そのころ、別の山に住む天狗は、空を飛ぶことができなくなっていました。爺様が使った言葉は、天狗が空を飛ぶときに使う言葉でした。天狗は怒って、爺様に「その言葉を使うのをやめろ」と言いました。爺様は「やめたら畑ができなくなる。村のみんなが食べる物がなくなる」と言いました。天狗は、細長い食べ物を出しました。爺様が食べると、とてもおいしくて、お腹がいっぱいになりました。天狗は「この食べ物は、蕎麦でできている。畑に蕎麦の種を植えなさい」と言いました。爺様は喜んで、もう天狗の言葉を使わないと約束しました。そして、村に帰りました。村の人たちは蕎麦を育てて、みんなの生活はよくなりました。